松井純子行政書士事務所(開業準備中)
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報酬は適正か?行政書士の遺言執行報酬内訳例

「遺言執行を頼もうと思っているが、行政書士だといくらかかるか全くわからない」
「無料相談で提示された費用が妥当か判断できない」
こんなお悩みはありませんか?
人生に何度も経験はしない相続。
遺言執行を専門家に任せようとしたけれど、費用の中身が見えなくて不安を感じることはよくあります。
インターネットで調べても、個人が相場を掴むのは難しいでしょう。
相場を知らないまま依頼すると、比較ができずに損をする可能性があります。
この記事では以下の情報を提示し解説しています。
- 相場
- 遺言執行の内訳
- 適正判断の基準
まずは金額を見るのではなく、遺言執行の中身について知ることから始めましょう。
行政書士の遺言執行者報酬の目安額
行政書士の遺言執行者報酬は、一般的に20万〜50万円程度、または遺産総額の1〜3%が目安とされています。
高いと感じるか、安いと感じるかは人それぞれだと思います。しかし、重要なのは金額の大小ではなく、遺言執行の内訳と業務の内容の妥当性です。
世の中にあるサービスを考えてみてください。質の高いサービスは費用が高く、質の低いサービスは低価格であることが一般的です。
遺言執行の場合、作業量と責任の重さで、相場内でも費用が高い・低いがあるのです。
詳しくは順を追って説明します。
行政書士の遺言執行報酬がバラバラな理由
インターネットで調べた遺言執行の報酬相場が、なぜバラバラであるのか、理由を説明します。
専門家が報酬を決定するには、いくつか検討すべき点があります。
以下のような点です。
- 財産の種類
不動産・預貯金・株式・保険などにより相続の手続きが異なります - 相続人の人数と関係性の複雑さ
相続人の人数が増える・相続人間の関係性が複雑などにより、取得する必要書類が増えます - 手続き先の数(銀行・法務局・各機関)
銀行・法務局・その他の機関の数が増えれば手続きが増えます - 争いの有無
相続人間で争いがあれば、家庭裁判所等での審判が必要になる場合があります
※行政書士は紛争事案は扱えません
例えば以下の事例を見てください。
父親Xさんの遺言執行を行政書士に依頼したAさんのケースです。
Xさんの相続人はAさんひとり。Xさん名義の銀行口座2件、証券口座1件。手続きは比較的簡単に済みそうでした。
行政書士はまずXさんの生まれてから亡くなるまでの戸籍を集めることにしました。Aさんから聞きとった本籍地から戸籍を集め始めると、あることに気づきました。
「一体、何回転籍(本籍地を変えること)してるんだ!?」
Aさんに事情を聞くと、
「父は転勤族でした。律儀な人で、引越しの度に本籍地も変更したんでしょう」
行政書士はAさんに、Xさんの戸籍を収集しなければならず、今回はかなりの数になり、報酬額が変わる可能性があると伝えることになったのでした。
このように思いもよらない事情が発覚し、報酬が変わる可能性もあるのです。
遺言執行者とは?行政書士に依頼できる業務範囲
遺言執行者とは、遺言に書かれている内容を実際に執行する人のことです。
相続人が選ばれていることが多いですが、被相続人の意向により遺言で専門家を指定してある場合もあります。
行政書士が遺言執行者になった場合、対応できるのは下記のような業務です。
- 遺言内容の確認・相続人への通知
- 財産目録の作成
- 預貯金の解約・払い戻し手続き
- 相続人調査・戸籍収集
反対に、行政書士が対応できない業務は以下のような業務です。
- 相続人間の紛争対応・交渉
- 訴訟代理
- 不動産登記(司法書士との連携が必要)
特に注意すべきは、紛争に発展しそうな場合は行政書士では対応することができず、弁護士の領域になります。
シンプルな案件なら行政書士で十分に対応できるケースが多いです。
紛争事案でないため、報酬も弁護士に比べて抑えられる可能性があります。
行政書士の遺言執行報酬の相場
行政書士の遺言執行報酬の料金体系には、主に2タイプあります。
- 定額型
- 遺産総額連動型
定額報酬型
遺産総額に関わらず一定額(例:30万円前後)が設定されています。
向いているケースは、財産の種類が少なく、手続きがシンプルなケースです。
予算が読みやすいことがメリットに挙げられます。
【定額型の報酬額の目安】
基本報酬:20万〜30万円+ 遺産に応じた加算(または別途費用)
遺産総額連動型(割合型)
遺産総額の1〜3%程度が報酬になるタイプです。
遺産が高額の場合、報酬が高額になりやすく、注意が必要です。
事務所によっては、上限額を設けている場合もあるため、問い合わせてみるといいでしょう。
【遺産総額連動型の報酬目安】
| 遺産総額帯 | 料率目安 | 報酬目安 |
|---|---|---|
| ~1,000万円 | 1.5%~3.0% | 15万~30万円 |
| ~3,000万円 | 1.0%~1.5% | 30万~45万円 |
| ~5,000万円 | 0.8%~1.2% | 40万~60万円 |
| 1億円超 | 0.3%~0.8% | 50万~150万円以上 |
これらはあくまでも目安であり、事務所や地域性により異なることがあります。
最低報酬について
少額の遺産でも一定額の報酬は発生します。少額といえども手続きには手間がかかります。遺産が多くないから安く抑えられるだろうということではありません。
遺言執行報酬の内訳例【何にお金がかかるのか】
遺言執行の報酬=まるごと利益、ではありません。
3種類の内訳を紹介しますので、適正かどうか判断できるようになると思います。
- 基本業務報酬
- 手続き代行費用
- 実費・その他費用
順に見ていきましょう。
基本業務報酬(含まれることが多い業務)
- 遺言内容の確認・精査
遺言の内容を確認および精査します - 相続人全員への就任通知
遺言執行者就任の通知をする義務があるため、相続人全員に通知します - 戸籍・住民票等による相続人調査
戸籍や住民票を取り寄せ、相続人の調査をします - 財産目録の作成
相続財産をすべて洗い出し、目録を作成します
手続き代行費用(加算になるケースが多い業務)
- 預貯金の解約・払い戻し
金融機関ごとに加算されるケースがあります - 不動産名義変更の補助対応
行政書士では登記ができないため、司法書士への橋渡しを含みます - 株式・有価証券の名義変更対応
- 各種機関への連絡・書類対応
手続きする先が多いほど手間が増えるため、費用も増えることになります。
実費・その他費用(別途発生するもの)
- 戸籍謄本・住民票等の取得費用
- 郵送費・レターパック代
- 交通費・出張費
見積もりに実費が含まれるか確認することが必要でしょう。
報酬は誰が払う?いつ支払う?
相続税との関係
遺言執行者報酬が相続税の債務控除対象になる場合があります。税務上の判断は行政書士にはできないため、必ず税理士への確認が必要です。
行政書士に依頼するメリット・デメリット
メリット
- 費用が弁護士・銀行信託と比べて抑えやすいケースが多い
- 遺言書作成から執行まで一貫して依頼できる事務所が多い
- 書類作成・行政手続きに強みがある
- 一般論として、柔軟な対応・丁寧なコミュニケーションが期待できるケースがある
デメリット・注意点
- 相続人間に争いがある場合は対応不可(弁護士が必要)
- 不動産登記は司法書士との連携が必要になる
- 事務所によって経験・対応力に差がある
行政書士は争いがある事案は受けられないため、シンプルな案件に向いており、複雑・紛争案件には向きません。
報酬が「高い」と感じたときのチェックポイント
提案された報酬額が「高い」と感じた時、以下の項目を確認してみてください。
- 業務内容・対応範囲が書面で明示されているか
- 成果物(財産目録・手続き完了報告など)が何か明確か
- 実費が報酬に込みか別かを確認したか
- 複数の事務所に見積もりを取って比較したか
- 口頭説明だけでなく書面(見積書)があるか
チェックを満たしていれば、金額が相場内であるなら適正と判断しても良いです。
行政書士の報酬を適正に見極める3つの基準
最終的に行政書士の報酬が適正であるか見極める3つの基準を提案します。
- 作業量に見合っているか
財産の種類・数・手続き先の数と報酬が釣り合っているかを確認する - 責任の重さに見合っているか
遺言執行者は法的責任を負う立場であり、その責任の重さを報酬に反映するのは合理的である - 説明の透明性があるか
内訳を分かりやすく説明してくれる事務所かどうかが最重要の判断基準である
安く依頼できるならそれでいい、と思いがちかもしれません。しかし、安いには安い理由があるかもしれません。
遺言執行は責任ある仕事であり、膨大な量の手続きが必要になります。
金額だけで判断することなく、内容を見て判断してください。
まとめ
- 行政書士の遺言執行報酬の目安は、20万〜50万円、または遺産総額の1〜3%が一般的な目安
- 報酬の内訳は「基本業務/手続き代行/実費」の3層構造になっている
- 適正判断の基準は「金額」ではなく「作業量・責任・透明性」の3点
まず2〜3社に見積もりを依頼し、内訳の説明を受けて比較してみましょう。内訳が書かれていなければ、内訳を出してくださいとお願いしてみてください。真摯な行政書士であれば提示してくれるはずです。
報酬額が適正かどうかは比較して初めてわかってきます。
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