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【フリーランス必読】請負契約で著作権を留保するコツ

著者事務所情報

松井純子行政書士事務所(開業準備中)
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「発注先に著作権はうちにあるよね?と言われた」
「契約書の著作権条項が十分かわからない」
このような悩みを持つフリーランスの方はいませんか?
フリーランスの著作権や著作者人格権について、著作権条文例と共に解説します。

目次

請負契約書(業務委託契約書)の著作権条項

なぜ契約書に著作権条項を盛り込むのか

イラストやデザインの請負契約書(業務委託契約書)、ソフトウェア開発請負契約書(業務委託契約書)等には、著作権条項を設けることが一般的です。
なぜ契約書に盛り込むことが必要なのでしょうか。

著作権は、原則として原始的に著作者に帰属します。また、著作権は特に手続きをする必要なく、自然に発生するものです。
つまり原則として、受注者(フリーランス)に著作権帰属することとなります。

そこで、発注者は著作権条項を設けることにより、著作権を譲渡させたり、著作者人格権の不行使を契約として締結するのです。

発注者と受注者の思い

受注者(フリーランス)としては、自らが作り上げた作品・仕事について、著作権等の権利を守りたいのは当然です。
しかし、発注者としても、費用を払って発注したものを自らの裁量で利用したいと思うのもまた当然なことです。

ここで大事になってくるのが、著作権条項の定めです。

フリーランスが自らの著作権を守るためには、契約書の著作権条項で著作権を受注者(フリーランス)に留保する条文を入れましょう。

請負契約とは?

民法632条

そもそも請負契約とはどういったものか確認します。
請負について定めた民法632条の条文は以下のとおりです。

第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

仕事を完成する人を請負人、報酬を支払う人を注文者といいます。
受注者(フリーランス)が請負人であり、発注者が注文者と言えます。

受注者(フリーランス)が仕事を完成することを約束し、発注者が報酬を支払うことが請負契約の基本となります。

請負契約の種類

請負には、

  1. 仕事の目的物の引渡しを要するもの
    1-1. 請負人が物を製造するもの
    1-2. 注文者の物について請負人が製造以外の行為をするもの
  2. 物の引渡しを要しないもの
    2-1. 物以外の仕事の成果を引き渡すべきもの
    2-2. 仕事の成果が無形であるもの

といった種類に分けられます。

請負契約の例

上記の種類の事例を挙げます。

1-1. 建物の建築、船舶の製造、機械部品の制作、洋服の仕立て
1-2. エレベーターの修理、洋服のクリーニング、ビルの清掃、ピアノの調律
2-1. 設計図面の作成、ソフトウェアの作成
2-2. 講演、理髪

受注者(フリーランス)の著作権

では、請負契約における受注者(フリーランス)の著作権について考えてみましょう。

著作権とは、著作者の財産的利益を守るための権利です。
譲渡や相続などが認められます。(著作権法61条)
著作物を創作すれば、その時点で著作権が自動的に与えられます。

著作物の創作を他人に委託した場合、料金を支払ったかどうかに関係なく、著作物を創作した「受注者」が著作者となります。

著作者人格権とは?

著作者人格権は、著作者の精神的利益を守る権利です。
下記の権利を内容としています。

  • 公表権(18条)
  • 氏名表示権(19条)
  • 同一性保持権(20条)

著作者に専属する権利であるため、著作権とは違い譲渡はできません。

よくある発注者の勘違い

請負契約の発注者は、報酬を支払うことを約しています。
「報酬を支払ったのだから、仕事の成果物の著作権も譲渡されているだろう」と勘違いをすることがあります。

契約書でどのように定義されているか、双方で確認しましょう。
契約前の段階であれば、受注者(フリーランス)は著作権条項が自分の望む形になっているか検討及び交渉しましょう。

著作権を留保する契約書条文例

契約書条文例

著作権を留保する契約書条文例を示します。

甲:発注者
乙:受注者
第○条(著作権)
1 本業務により乙が制作した納品物の著作権は、乙に留保される。
2 乙は甲に対し、納品物を本契約の目的の範囲内で使用することを許諾し、当該使用に係る対価は報酬額に含まれるものとする。
3 甲は、納品物を第三者に譲渡・転用・改変する場合は、事前に乙の書面による承諾を得なければならない。
4 乙は甲に対し、納品物に関する著作者人格権を行使しないものとする。

契約書条文例解説

1項で、著作権を受注者(フリーランス)に留保しています。

2項では、1項で留保したため、使用許諾をしています。また、その使用における対価は報酬額に含まれることを明記しています。

3項で、第三者による譲渡・転用・改変を書面による許諾を要することを明記しました。

4項では、著作者人格権を行使しないという契約にしています。

Q&A

契約書に著作権に関する条項が一切なかった場合、著作権はどちらに帰属するのでしょうか?

契約書に著作権に関する条項が一切なかった場合、著作権は受注者(フリーランス)に帰属します。
ただし、「報酬を払ったのだから、著作権は発注者にある」と主張される場合があります。トラブルを防ぐために、契約書には著作権条項を必ず明記しましょう。

著作権は留保できたとしても、発注者から「著作者人格権も不行使にしてほしい」と求められました。応じる必要はあるのでしょうか?

法的な義務はありません。互いの合意による契約になります。
著作者人格権は譲渡できませんが、「不行使特約」を結ぶことは認められています。
発注者が納品物を修正・改変して使いたい場合などに求められることが多いです。
不行使に応じる場合は、報酬交渉の材料にすることも選択肢のひとつです。
どこまで許容するかを明確にし、契約書に明記しましょう。

まとめ

フリーランスの著作権について、請負契約とともに確認してきました。

著作権条項の内容に不安がある方は、契約前にぜひ一度当事務所まで気軽にお問い合わせください。

当事務所では以下のような契約書の作成・リーガルチェックを行っています。

  • 業務委託契約書
  • 秘密保持契約
  • 著作権譲渡契約書
  • 取適法対応契約書チェック
  • フリーランス法対応チェック

オンラインで全国対応しています。
お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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