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売買・請負契約書で押さえる文例|契約不適合責任をわかりやすく解説

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松井純子行政書士事務所(開業準備中)
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「商品が仕様と違う」
「納品物がイメージと違う」
こんなことを経験したことはないですか?
そんなトラブル回避するために必要なのが、契約不適合条項です。
2020年の民法改正で瑕疵担保責任から変更された契約不適合責任を解説しながら、それぞれの立場に立った文例を示します。

目次

改正民法で何が変わったのか

2020年民法改正で、瑕疵担保責任は契約不適合責任に変更されました。
現行民法では、以下の理由などにより、担保責任について「瑕疵」の用語を用いていません。

  • 「瑕疵」の言葉が難解
  • 契約と切り離された客観的な基準によるものと理解される可能性がある
  • 物理的な欠陥のみがイメージされ、心理的・環境的瑕疵が含まれることがわかりにくい

現行民法の契約不適合責任では、種類又は品質に関する目的物の契約不適合であり、瑕疵担保責任の「隠れた欠陥(瑕疵)」の要件がありません。

契約不適合がある場合請求できること

売買契約の目的物や請負契約の仕事の目的物に契約不適合を発見した場合、買主又は注文者は以下の4種類の請求ができます。

  • 追完請求
  • 代金減額請求
  • 損害賠償請求
  • 契約の解除

追完請求

目的物が契約書の基準を満たしていない、数が足りないなどの場合、売主や請負人に追完請求をすることができます。
追完請求とは、

  • 目的物の補修請求
  • 代替物の引き渡し請求
  • 不足分の引き渡し請求
    などです。

代金減額請求

買主、注文者が相当の期間を定めて履行の追完を催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主、注文者は不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができます。

損害賠償請求

物の不適合により、追完請求・代金減額請求ができる場合でも、別途、損害賠償請求を行うことができます。
売主の損害賠償債務と買主の代金債務は、同時履行の関係にあります。

契約の解除

物の不適合がある場合、契約不履行を原因として契約を解除することができます。

期間制限及び時効

物の不適合がある場合、追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除の4つが認められている。
不適合が種類又は品質に関するものであるときは、その期間が制限されます。
民法では買主がその不適合を知ったときから1年以内であり、商法においては6ヶ月以内です。
その期間をすぎれば、4つの手段は取れなくなります。

民法では数量においては、期間制限はなく、一般の消滅時効が適用されます。
商人間で適用される商法では、数量も検査・通知義務の対象となっています。

契約不適合責任の文例

買主有利版売買契約書文例

売買契約書の買主に有利に働く契約不適合責任の文例を記載します。

買主 乙/売主 甲

売買契約(買主側有利)
第○条(契約不適合責任)
1 乙は、甲から引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して本契約の内容に適合しないものであるとき(以下「契約不適合」という。)は、納品後6ヶ月以内に当該不適合を発見し、発見後5営業日以内に甲に対してその具体的内容を通知した上で、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
2 前項の通知後、乙が相当期間を定めて履行の追完を催告したにもかかわらず、当該期間内に追完がなされない場合、乙は代金の減額を請求することができる。
3 乙は、契約不適合を理由として本契約を解除することができる。ただし、当該不適合が軽微である場合はこの限りでない。
4 乙が契約不適合を知っていた場合、前3項は適用しない。
5 本条の規定は、甲に対する損害賠償請求を妨げない。

売主有利版売買契約書文例

売買契約書の売主に有利に働く契約不適合責任の文例を記載します。

買主 乙/売主 甲

第○条(契約不適合責任)
1 乙は、甲から引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して本契約の内容に適合しないものであるとき(以下「契約不適合」という。)は、納品後3ヶ月以内に当該不適合を発見し、発見後5営業日以内に甲に対してその具体的内容を通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた場合、甲は修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しの中から追完の方法を選択してこれを行うことができる。
3 前項の追完が不能である場合に限り、乙は代金の減額を請求し、又は本契約を解除することができる。ただし、当該不適合が軽微である場合は解除できない。
4 以下の各号に該当する場合、甲は本条の責任を負わない。
 一 乙が契約不適合を知っていた場合
 二 乙の使用方法の誤りに起因する不適合
 三 通常の使用による劣化に起因する不適合
 四 乙による改造又は修理に起因する不適合
5 本条に基づく損害賠償の範囲は直接損害に限るものとし、かつ売買代金の総額を上限とする。

注文者有利版請負契約書文例

請負契約書の注文者に有利に働く契約不適合責任の文例を記載します。

注文者 甲/請負人 乙

第○条(契約不適合責任)
1 甲は、乙から引き渡された仕事の目的物が種類、品質又は数量に関して本契約の内容に適合しないものであるとき(以下「契約不適合」という。)は、納品後6ヶ月以内に当該不適合を発見し、発見後5営業日以内に乙に対してその具体的内容を通知した上で、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
2 前項の通知後、甲が相当期間を定めて履行の追完を催告したにもかかわらず、当該期間内に追完がなされない場合、甲は代金の減額を請求することができる。
3 甲は、契約不適合を理由として本契約を解除することができる。ただし、当該不適合が軽微である場合はこの限りでない。
4 契約不適合が甲の指図した材料・仕様に起因する場合、乙は本条の責任を負わない。ただし、乙が当該指図の不適切であることを知りながら告げなかった場合はこの限りでない。
5 甲が契約不適合を知っていた場合、前各項は適用しない。
6 本条の規定は、乙に対する損害賠償請求を妨げない。

請負人有利版請負契約書文例

請負契約書の請負人に有利に働く契約不適合責任の文例を記載します。

注文者 甲/請負人 乙

第○条(契約不適合責任)
1 甲は、乙から引き渡された仕事の目的物が種類、品質又は数量に関して本契約の内容に適合しないものであるとき(以下「契約不適合」という。)は、納品後3ヶ月以内に当該不適合を発見し、発見後5営業日以内に乙に対してその具体的内容を通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた場合、乙は修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しの中から追完の方法を選択してこれを行うことができる。
3 前項の追完が不能である場合に限り、甲は代金の減額を請求し、又は本契約を解除することができる。ただし、当該不適合が軽微である場合は解除できない。
4 契約不適合が甲の指図した材料・仕様に起因する場合、乙は本条の責任を負わない。ただし、乙が当該指図の不適切であることを知りながら告げなかった場合はこの限りでない。
5 甲が契約不適合を知っていた場合、前各項は適用しない。
6 本条に基づく損害賠償は直接損害に限るものとする。

まとめ

売買契約や請負契約では、目的物が契約通り引き渡されるか心配になることがあると思います。
契約書の契約不適合責任条項を記載する際は、どちらに有利に働くか考えて作成しましょう。

契約書でよくわからないな、これで大丈夫かな?と心配になった方は、当事務所まで気軽にお問い合わせください。
当事務所では以下のような契約書の作成・リーガルチェックを行っています。

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