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遺留分も渡したくない!相続人の廃除の要件とは

遺留分とは
遺留分とは、一定の範囲の相続人に一定の割合額の相続を保証する制度です。
遺留分が認められている相続人は、配偶者、直系卑属、直系尊属であり、兄弟姉妹は認められていません。
割合は、
- 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
- それ以外は 二分の一
となっています。
このように相続権が保証されているため、特定の相続人に遺産を渡したくないと考えても、権利が認められている以上、願いが叶うとは限りません。
では、例えば自分に暴力を振るうなどの虐待をしてきた相続人に遺産を相続させたくない場合、希望は叶うでしょうか。
相続人の廃除の要件
特定の推定相続人を相続人から除外することが認められる場合があります。
民法上、相続欠格と相続人の廃除です。
相続欠格とは、相続人の相続権を法律上当然に剥奪することです。以下の5つが定義されています。
- 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
- 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
- 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
- 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
- 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
では、相続人の廃除とはどのようなものか、条文を見てみましょう。
第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
つまり、
- 虐待
- 重大な侮辱
- その他の著しい非行
これらが相続人廃除の要件となっています。
相続人の廃除が民法上認められる理由
相続人の廃除とは、欠格自由ほど重大な非行ではないけれど、被相続人からみて財産を相続させるには適当ではないと思われる虐待・侮辱がある場合、被相続人の意思を尊重して、相続権を剥奪する制度です。
財産を遺すのは被相続人ですから、その意思を守るべきという民法の考えが読み取れます。
具体的な裁判例
重大な侮辱についての裁判例を紹介します。
廃除が認められた例です。
【事例】
子Aは子供の頃より問題行動を繰り返し、犯罪歴のある者と交友関係を深め、少年院送致の処分も受けた。大人になっても、元暴力団員と親密な関係になり結婚。親の反対がありながらも親の名前で結婚披露宴の招待状を出したりした。父XはAの相続廃除の請求をした。
重大な侮辱とは「被相続人に対し精神的苦痛を与えまたはその名誉を毀損する行為であって、それにより被相続人と当該相続人との家族的共同生活関係が破壊され、その修復を著しく困難ならしめるものをも含む」として、廃除が認められました。
虐待についての裁判例を紹介します。
廃除が認めなかった例です。
【事例】
寝たきりの妻を看病していた父が子とその妻に協力を求めたが、子らは協力せず妻が死亡したことから、激昂した父が子らを繰り返し非難し、興奮して攻撃を加えたため、子が父に暴力を働いた。
「被相続人の主観的判断では足りず、客観的かつ社会通念に照らし、推定層億人の遺留分をひていすることが正当であると判断される程度に重大なものでなければならない」として、廃除を認めませんでした。
前者「重大な非行」に関しては、被相続人の主観を重視し、後者「虐待」については客観的な妥当性を必要としています。
しかし、重大な非行においても、客観性が必要であるという意見もあります。
相続人の廃除の手続き
廃除の手続きはどのようにするのでしょうか。
- 被相続人から家裁に廃除の請求をする(民法892条)
- 遺言によって廃除の意思を表示することも出来る(民法893条)
相続権を剥奪することであるので、家裁が虐待・重大な侮辱について判断します。
廃除の請求をした場合、遺言で意思表示した場合ともに、廃除による混乱を防ぐため、家裁は遺産の管理について必要な処分を命じることができます。具体的には、相続財産管理人の選定などです。
まとめ
相続人の中に相続させたくない人がいると考える人は、条件により相続人の廃除という手続きを取ることができます。
具体的には、相続人が被相続人に対し以下ことを行っている場合です。
- 虐待
- 重大な侮辱
- その他の著しい非行
これらが相続人廃除の要件となっています。
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